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「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研File No.48 伝統占星術と現代占星術 3
2019/5/27

伝統占星術と現代占星術 1

伝統占星術と現代占星術 2

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伝統占星術と現代占星術【3】
  田中要一郎×鏡リュウジ
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田中さんにとっては、技法そのものが楽しいでしょうかね? 煩瑣な技法をやっていくのが楽しいという…ルールが好きなんですね?

田中
それ、ありますね。ルールが好きです。仕組みが好きなんです。


ババ抜きよりもコントラクトブリッジが好き(笑)

田中
風水も勉強しましたが、占術が増えていくのは、結局、ニーズに応えるということがあります。方位なんかは、占い始めた当初はやらなくていいかと思ってましたが、鑑定で聞かれたのがきっかけで結局随分研究しましたし。

占術がもっている得手不得手もあります。電話占いだと、彼の気持ちは?とか聞かれることが多いですが、易でも出るには出ますが、タロットのほうが読みやすいんです。あとアドバイスで易を使うと若干説教臭くなってしまう時もあるんです(笑)


たしかに(笑) あれは人生訓ですからね。

田中
最終的には、中庸に帰結する場合が多いんですよね。ほどほどにしなさい、と。心がけを良くすれば吉とかね。タロットのほうは心理描写が具体的に出ますね。


ところで、ダイクスさんのこの本の典拠はかなりストア派によってますよね?

田中
はい、もともとストア派やアリストテレスの哲学を勉強されている方です。


だから、もうひとつの占星術の伝統的なこと、つまりダイモーン的な部分は触ってないですね。ダイモーン、つまり霊的な存在の感覚ですね。

具体的にいうと守護天使なんかがそうですが、キリスト教以前の昔の宗教的な感覚というのは、新プラトン主義を通過して、キリスト教以降にも生きています。

そういう霊的な存在の感覚は伝統的に占星術にもあって、ルネサンスの時代に復活しているんですが、そういうところは触っていないですね。ある研究者たちにはそこが物足りないのかもしれない。

田中
ダイモーンといえば、今、ちょっとしたブームですね。英語圏では、授業で扱う人が増えてきている印象です。鏡さんが親しくされているジェフリー・コーネリアスさんも以前に授業でやっていましたよね?


ジェフリーさんは、もともとそっちなんですよ。彼は占星術はディヴィネーションだととらえています。霊的な存在と関わるということですね。

田中
デメトラ・ジョージさんもこの前、2018年のアメリカ、シカゴでのUACでダイモーンを扱っていましたね。


占星術の中でも「流れ」はありますね。少し前は、占星術では魔術なんて絶対ダメという雰囲気でした。

田中
今は、占星魔術の流れもありますね。


はい、お守りを作ったりしてますね。アロマや石もそこに入ります。

田中
占星魔術のデザイナーも増えてきてますね。タリスマンのデザイナーとか。かっこいいデザインを作れる人が増えてます。


占星術の話ではないですが、ストア派の本が英語圏で流行りだしてますね。「how to be a stoic」日本語も出てますが、英語圏ではすごく売れてるようです。

この本が売れる背景を、『居るのはつらいよ』の著者で臨床心理学が専門の東畑開人さんが、要はセルフマネジメント、運命をいかに受け入れていくか、ということだとおっしゃってました。

80年代、90年代にユングが流行った時は「こころを豊かに」という時代だったけれど、今は「こころを乱さないように」ということかもしれませんね。

田中
英語圏では、30代半ばから40代半ばくらいの世代ですごく良い講師が増えているんですね。彼らは皆、80年代、90年代に占星術界で喧々諤々やっていた占星術家の教え子にあたる人が多いですね。あとは、アメリカのケプラーカレッジで学んだ人たち。ケプラーカレッジは以前は大学だったんですよね。そこの出身者とか。
若い人たちのほうが、歴史的背景とかよく知っている人が多い。


勉強の仕方を教えているんですね。あと、プレゼン上手ですね!

田中
パワポがそのまま優れたテキストになっていますね。美意識も高いからパワポのデザインも美しいです。伝統占星術の間では若い人で優れた講師が増えていますね。

彼らは、zoomというアプリで講座中継しているんですが、受講料も手軽な価格だからか、1000人位集まったりしてます。zoomにもう入れないくらいたくさんきていますね。フェイスブックでのやりとりも活発ですし。時代が変わった感じがすごくあります。


そういう意味ではぐるっと回って、「伝統占星術」が時代の先端に回帰した存在になっているのも面白いですね。そこからまた新しい流れも登場するでしょうし、僕は「現代占星術」もその背後にある神智学や心理学を透かし見ていくことで、もうひとつの「伝統」になるだろうと睨んでいます。面白い時代になりました。

(了)

ー 他コンテンツ紹介 ー

田中要一郎(たなか よういちろう) プロフィール

1974年和歌山県生まれ。早稲田大学卒。占術研究家、翻訳家、芸人。西洋伝統占星術、子平、インド占星術、風水、易、タロットなど洋の東西を問わず占術を研究する。訳書に「子平推命基礎大全」梁湘潤 著「クリスチャン・アストロロジー第3書」ウィリアム・リリー 著(いずれも太玄社刊) がある。

http://uranaigeinin.com/

『現代占星術家のための伝統占星術入門』(ベンジャミン・ダイクス著 田中要一郎訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4906724442/

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